こま切れになってしまった秋の北海道ツーリング記録も今回で終わりです。
下川町の「五味温泉」を冷たい風雨に追い立てられるように発ち、道道101を岩尾内湖から愛別町へ抜け、旭川をバイパスして富良野へいたるまで5℃を下回る気温と冷たい北風と雨に打たれっぱなし。
ひさしぶりに涙が出そうな行程でしたが、麓郷へ向かうわき道へそれた頃には写真のように薄日が差してきました。あいにく十勝岳連峰は厚い雲に覆われていましたが、雨にあらわれた緑と紅葉のコントラストが映えていました。
富良野を発つ頃には再び雨が降り出し、苫小牧のフェリーターミナルに着く頃にはゴアテックスの雨具もブーツも役には立たず、全身下着までビトビト状態。乗船と同時に駆け込んだフェリーの展望風呂が、この世の極楽に思えました。
帰ってきてひと月が経ちますが、仕事の合間に写真をながめながら思い立ってライブカメラを見てみると、北海道はすっかり冬につつまれているようです。毎年決まったようにムクムクと湧き上がる「遠くまで走りたい」「ひたすら走りたい」という願望をかなえてくれる北海道なのですが、時期も悪かったのですが今回のように1日おきに冷たい雨に降られるという試練には正直閉口しました。でも不思議なもので、厳しい行程の中で出会った風景というのは鮮やかに脳裏に焼きついていて、Google Mapでルートをたどると、その時その時の風景が鮮明に蘇ってきます。
忙しさや諸々の理由で「走りたい」衝動に対する反応がにぶりつつあるのは不本意なのですが、これからもスッと旅立てる身軽さと、衝動を感じる鋭敏な感覚を保っていきたいと思ってます。もちろん、それには良き理解者である妻の存在が欠かせないのですが。
(取ってつけてません)